活動について

プロジェクト概要

 静岡県伊豆市修善寺の半経寺山を活動場所として、自然環境教育と里山環境整備の活動をおこないます。伊豆市内および近隣地域の子供たちとその保護者を中心の対象とし、里山での学びと体験と遊びの機会を提供します。

活動の紹介

  1. 森まなび活動
    プロのネイチャーガイドを講師として招き、子供たちを自然への入り口への導くイベントをおこなう
    月一回開催
  2. 森づくり活動
    「大地の再生」の視点にもとづき、里山の水脈機能を整える土壌の表層改善を中心とした、手道具だけで行う森林の環境改善をおこなう
    月一回開催
  3. 森あそび活動
    里山空間を開放し自由な遊びと憩いの場として提供する
    不定期オープンデーとして開催

目的

「人と森とがひとつながり」になった社会を目指します

  1. 人と森とがお互いの関わりのなかで共に豊かに育っていく関係性の回復を目指します
  2. 人も自然の一部であることが当然のこととして認識され、人が生命の関係性の輪の中に生きる社会をを目指します
  3. 結果としてそれは、健やかな自然環境を子供たちに引き継ぎ、人と自然との関係のなかで育まれる地域特有の風土・文化・景観・情緒を形成していくことにつながります

社会的役割

「人と森をひとつながり」にするために、2つの取り組みを中心におこなっていきます

  1. 森林内での自然環境教育:自然界の異変にも気づきうる地域の子供たちの感性を育てつつ、自然と関わる技術や知恵を身につける機会を提供します
  2. 森林の環境改善整備:自然生態系は山から川を通じて海までの流域単位でひとつに繋がっており、一つの里山を整えることで、狩野川流域全体の環境改善へとつなげていきます

プロジェクト立ち上げの経緯・理由

 伊東のメガソーラー開発問題や南伊豆の洋上風力発電開発問題などに象徴されるように、山林や海洋などの動植物の命を損ない、自然地形を改変して自然環境を破壊・劣化させる開発行為が未だに繰り返されています。それを許してしまうのは、人々の自然へとつながる意識や感覚が分断されていることに起因しており、荒廃・劣化しゆく自然環境を整備・再生していく取り組みと同時に、人々の自然への感性を取り戻す取り組みを行う必要があると考えました。

社会的背景や想い

 伊豆は豊かな自然環境を有しながら、子供たちは遊びの場としての里地里山という場を奪われてしまっています。

 一昔前の子供たちは、子供たちの関係性のなかで山や川を自由で創造的な遊び場としてきましたが、今では「山や川は危険だから子供たちだけで遊んではいけません」と学校で指導されています。生活様式の変化による身近な自然との関係の希薄化と大地の水脈機能を無視した土木工事のために自然環境の荒廃が進み、山や川が実際に危険な場所となりつつあるからです。その様相は、マツ枯れ・ナラ枯れ・シイ枯れの多発、病害虫の異常発生、土砂災害の頻発、山林の藪化、生物種の減少、竹林の荒廃、獣害の多発、大雨の度に泥水が流出するなどの現象として表れています。

 かつては鮎の魚群が見え、肩触れ合うほどの釣り客が押し寄せた狩野川も養殖頼み、ホタル祭りも養殖頼みです。地元に育ったおじちゃん、おばちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんは昔の様子を教えてくれます。「ナイフ片手に山を通って学校に向かいながら、遊び道具を作って遊んだ」とか「川で高学年が低学年に泳ぎを教えていた」とか「魚、カニ、ウナギの群れが川に見えていた。田んぼの用水路にも生き物がいっぱいいた。今の人は可哀相だ」といった話を聞きます。この環境を取り戻さなければなりません。

 環境問題が取り沙汰される世の中になってからの世代は、「昔はこんなに生き物がいっぱいいた」、「昔はこんなに野菜が美味しかった」、「昔はきれいな水が流れていて手ですくって飲んでいた」といった、「昔はよかった」話をずっと聞かされて育ってきました。次の世代の子供たちには「今はこんなによくなった」話を聞かせてあげたいと思っています。