森まなび活動レポート:2023年4月23日(日)「池づくり ~ 第三回 親子でつくろう トンボの楽園 in 修善寺」

レポート

「2022年度 親子でつくろうトンボの楽園 in 修善寺」の第三回「トンボの池づくり 」の森まなび活動(里山の環境教育活動)を開催しました。今回はお天気にも恵まれ、満員御礼での開催となりました。写真にて当日の様子をお伝えします。

いつもどおり、まずは池の生き物の観察から。網で池底をガサガサして、どんな生き物がいるかを観察します。このあと池づくりで水の中に入るので、生き物の一時救出も兼ねています。

ヤマアカガエルやアズマヒキガエルは大きくなりましたが、まだオタマジャクシのまま。トンボ類はタカネトンボ、オニヤンマ、ヤブヤンマ、オオシオカラトンボのヤゴが採集されました。ほかに、ミズムシ、カゲロウの幼虫、ユスリカの幼虫、サワガニなどが見つかりました。

ガイドさんの解説の様子を少し動画でもご紹介します。こんな雰囲気でやってます。

このあと、この企画に初めてのご参加の方と複数回ご参加頂いている方との、2班にわかれて20分ほど違う内容を。初めての方は、標本などを見ながらトンボの生態やビオトープづくりの意義などを学んでいただきました。複数回ご参加の方は前に聞いたお話になってしまうので、水の流れを整える沢周りの整備作業にご協力いただきました。

さてここから、本日の活動の本番「トンボの池づくり」です。沢筋に複数の池を作ることで、複数の種類のトンボが分散して生息できる環境を作っていきます。

今回つくる池は、2つの流れが合流する部分と、その流れの片側の湧き出し部分を池にしていきます(池Bと池E)。池を作ることは里山の環境を善くすることにつながることなどを、図面を見ながら説明しました。

さあ、水に入ってどろんこになりながら池づくりです。

落ち葉を掻き上げたり、泥をかきあげたり、石を組んで石垣や縁石にしたり、杭を打って護岸をつくったり、水の湧き出しを導いたり、流れを整えたり。みんな自分で考えて工夫しながら、がんばって池をつくってくれました。

どの池もやる前と後では大違い。立派な池ができました。

池Bからご紹介。写真では水面が見えなかった沢筋に大きく水面が見えるようになりました。石を選んで据えて、二段、三段構えの段落ちの池にしてくれました。掘った土で岸を平坦に整えて、沢の脇を歩けるようにもしています。

池Eは、落ち葉、泥をかき出してから池の周りを掘って少し拡張。周りの石を集めて土手側に積んで、護岸をつくってくれました。水の流れる音がはっきりとわかるようになりました。

そして2つの池をつなぐ水路にも、想定外の大きな池ができました。子供たちが協力して、作業時間がそろそろ終わるという頃にせっせと掘ってくれ大きな池ができました。これは池Fですね。

これでこの里山の沢筋にまたトンボたちの生息場所が増えました。沢の流れの中に上空からあちこちに水面が見えるようになって、いろんな種類のトンボが産卵にやってくるようになるはずです。

おわりに子供たちに、感想をひとりずつ話してもらいました。石が崩れないようにちょうどいい石を探して崩れないように積んだり並べたりしたこと、石混じりで掘るのが大変だったけどみんなで力を合わせて掘ったこと、ちゃんと形のあるものができてよかった、といった感想が聞けました。

さいごにこの時期ちょうど花を咲かせている、ラン科の植物、キンラン、ギンラン、ササバギンランを鑑賞しました。トンボビオトープの反対の斜面ではエビネも花を咲かせています。この里山には今では希少となってしまった植物がまだ生えています。大事にしていきたいと思います。

次回第四回は5月20日(土)に、雨で開催できなかった分の振替えとして大学生をお呼びした特別プログラムを開催、そして第五回は5月21日(日)に池づくりの最終回、また子供たちと一緒にこれまでで一番大きな池づくりをします。

*本プログラムは一般社団法人 コンサベーションアライアンス・ジャパン「アウトドア環境保護基金」2022年度前期助成プログラムにより運営しています