10月16日におこなった森まなび活動「里山ナイトハイク~夜の森は動物だちの世界」のイベント報告です。
心配していた雨もイベント開催時間にはあがってくれて、途中月明かりも覗かせてくれ、無事開催することができました。総勢22名(スタッフ含む)の方にご参加いただくことができました。この場を借りて感謝申し上げます。
春からのマダニの大発生の状況を鑑み、5月以来の久しぶりのイベント開催となりました。幸い涼しくなってきてマダニを見かけなくなりました。
今回は今までと毛色を変えて、夜の森を歩いてみよう、というイベントでした。夜の森は普段見慣れている山林内の光景と異なり、動物たちの世界になります。動物たちの痕跡を探り、身近にいるけれども普段は意識していない人間以外の生き物たちの気配を感じてみよう、普段と異なる感覚を拓いてみようという趣旨です。
まず山林に入る前にネイチャーガイドの馬場さんより、動物たちの痕跡についてのレクチャーです。足跡、糞、食痕、ツノ研ぎ跡、毛、巣穴など、動物たちのフィールドサインの知識を学びました。
30分ほど事前知識を得たところで、いよいよ暗くなってまいりました。各々ヘッドライトを装着し、夜の森へと入ります。
ネイチャーガイドのお二人の導きに従い、フィールドサインを確認しながら森の中へと入っていきました。
イノシシのヌタ場、シカの食痕やツノ研ぎ跡、ネズミの巣穴、アナグマの巣穴などが見られました。シカのツノを発見する子や、サワガニと戯れる子、小さなカマキリを見つける子、大きなゲジゲジに驚く子なども。
途中、耳を済ませるとフクロウの鳴き声が聞こえました。身近にフクロウがいることがわかり、新鮮な驚きを覚えました。
森の奥まで入ったところで、皆一箇所に集まって、ヘッドライトの灯りをみんな一斉に消す時間をとりました。
月明かりが出て意外と明るさを感じられること、落葉し始めている森の木々の間から夜空が覗き見えること、風の音や虫の声など自然の音がよく聞こえ始めてくること、闇の中でも動植物が息づいていること、いろんなことが短い時間のなかで感じられたように思います。
さて、ここから二班に分かれて、フィールドサインを読み取った子どもたちが、センサーカメラを仕掛けます。カメラの前を通る動物たちの写真や映像を24時間撮影してくれます。班ごとに話し合い、動物を撮影できそうなところにカメラを仕掛けました。
ひとつの班はアナグマの巣穴のところに、もう一つの班は水がたまる池になっているところにカメラを仕掛けました。さて、どんな動物が映るでしょうか。楽しみですね。
撮影された写真、映像は別記事にて公開していきます(レポート1、レポート2、レポート3)。
山を降り、体験を振り返って、皆さんの感想を述べてもらいイベントは終了しました。
普段とは違う夜の森の感覚に触れることができ、ささやかな感動を覚えてもらえたのではないかと思います。特にフクロウの声や、ライトを消した時間が新鮮だったようです。今度は昼間に入りたいとの声も聞けました。また開催しますね。
令和3年度緑の募金公募事業「子どもたちの未来の森づくり事業」に採択され、今回から本交付金を運用した開催となります。参加者の皆様には、参加費の軽減や資機材の提供等ができることになります。今後ともよろしくお願いいたします。