森まなび活動レポート:2023年3月21日(祝・火)「池づくり ~ 第二回 親子でつくろう トンボの楽園 in 修善寺」

レポート

「2022年度 親子でつくろうトンボの楽園 in 修善寺」の第二回「トンボの池づくり 」の森まなび活動(里山の環境教育活動)を開催しました。レポートをお送りします。

先月、今月と満員御礼のご予約をいただいておりましたが、開催日が荒天のため中止となってしまいました。当スタッフのなかに雨男がいるようです(汗)。今月は活動を前に進めるべく、予定日の18日(土)から21日(祝・火)に振り替えて開催いたしました。振替え開催のため、2組4名様の少人数での開催でしたが中身の濃い回となりました。写真にて当日の様子をお伝えします。

いつもどおり、まずは池の観察から。昨年度つくった池はすでに安定した様子で、今年もカエルの産卵場となっています。アカガエルの産卵のあと、アズマヒキガエルが産卵があり、卵塊からはオタマジャクシが生まれつつありました。カエルにはかわいそうですが、これはヤゴの豊富なエサ資源ともなります。

そして、こどもたちに池や流れに網を入れてガサガサをしてもらい、いま水の中に棲んでいる生き物を採集しました。

タカネトンボ、オニヤンマ、ヤブヤンマのヤゴが採集されました。ほかにも、ミズムシ、カゲロウの幼虫、ユスリカの幼虫なども見つかりました。以前は生物の少なかった場所に、少しずつ命が宿りつつあるのを実感します。

採集した虫たちの生態についてガイドさんの説明を受けながら学習し、標本やルーペや顕微鏡を用いて観察しました。また、なぜトンボの棲む池づくりをするのか、ビオトープづくりの意義についても学びました。

さて、第二回となる今回からのこの活動の中心は「トンボの池づくり」。里山の中に、複数の池を作ることで、多様なトンボが分散して生息できる環境を作っていきます。地面の下の空気と水の通り道(水脈)に配慮した施工法によって、池を作ることが里山の環境を改善することにもつながります。

今回つくる池は、土砂で埋没し、しばらくイノシシのヌタ場となっていたところ。流れが滞って鉄バクテリア(水中にいる微生物)の影響で水面に赤い油膜が浮かんでいる場所でした。生物がいる様子は見られません。そんな場所を命が宿る場所に変えていきます。

まずは土砂で埋もれた床を、せっせと掘り掘り、床掘り作業。短時間でも人数がいればかなり進みます。30cmくらい深みを作れたかな。

次に、掘ったときに出てきた石で護岸をつくったり、岸に焼き杭を打ち込んで枝を絡ませて土留めを作ったりして、自然物の力を借りた安定した池を造作していきます。

そして、池の完成。沢の本流が少し分かれてこの池に注がれるようになり、みるみるうちに水が満ちてきました。水の中に入って作業していたので写真の水は泥水になっていますが、しばらくするとすぐに澄んだ水に落ち着いていきました。

直径1.5mほどの池ですが、水面を視認できるようになったことで、トンボたちが集まり産卵してくれるようになることが期待されます。池の中に現れた大きな石にトンボが止まっている姿が、今から見えるようです。

この池づくりによって、生き物のいなかった場所に命が宿るでしょうか。どんな生き物がやってきてくれるでしょうか。この春からの変化が楽しみです。

今回も自発的に動く子どもたちの働きに感動させられました。終わったあとに「楽しかったー」の声が聞けてとても嬉しかったです。

次回、第三回は4月23日(日)に開催します。里山はうららかな春の風情となっていることでしょう。ご参加お待ちしております。今度は晴れますように。

*本プログラムは一般社団法人 コンサベーションアライアンス・ジャパン「アウトドア環境保護基金」2022年度前期助成プログラムにより運営しています