プロジェクト

これまでに取り組んできた事業、いま取り組んでいる事業を紹介します。どれも、水脈を整えることで流域の生態系を回復させていく取り組みです。


里山内の沢にはゲンジボタルがわずかに自生していますが、土砂の流入と暗渠による分断で、生息環境は不安定な状態にあります。沢だけでなく谷全体の土壌の、通気性・透水性を高めることで、安定した水量と多様な流れを取り戻します。あわせて観察路を設け、地域の人が訪れられる場として育てていきます。


伊豆半島は河川こそ多いものの、池や沼といった止水環境に乏しく、水田はその数少ない止水環境です。狩野川流域の耕作放棄された田を復田し、冬のあいだも水を張ることで、一年を通して生きものが棲める場をつくります。あわせて、かつて修善寺の特産品だった黒米を環境共生型の農法で育て、地域に根づかせることを目指します。NPO法人ホールアース自然学校とともに構成する修善の森ヘルスツーリズム協議会による事業です。


伊豆半島でも竹林の荒廃は深刻な課題です。竹を稼ぎに変えて手入れを続けられるようにし、同時に活動を支える財源としていくことを目指しています。伐り出した竹は炭に焼きます。炭の無数の孔は水と空気の通り道となり、竹炭は土壌の通気性・透水性を改善する資材となります。炭焼きは地域の方を招いた環境教育イベントとしても開催し、焼き上げた竹炭は、造園や環境再生の現場へ向けて販売を始めています。


2022年から大学生の受け入れを始め、いまは大学、高校、企業、保全団体を里山に迎えています。とくに静岡大学東部サテライトとは、自然共生サイトの認定を記念したシンポジウムを共催し、そのつながりから地域の企業に向けた里山ツアーや学生のフィールドワーク実習にも広がっています。森の手入れは一人でも一世代でも終わりません。地域のさまざまな人や組織と関わり合うなかで、里山との新しい付き合い方を紡いでいきたいと考えています。


里山の荒廃と、住民が支えてきた修善寺の共同浴場の担い手不足。この二つの地域課題を同時に解決することを狙ったプロジェクトです。自然を消費するだけのツーリズムではなく、訪れた人が森の手入れにも加わり、自然も人も健やかになって帰る。森林浴と温泉入浴を組み合わせたプログラムを開発し、モニターツアーで検証しました。NPO法人ホールアース自然学校との共同事業です。


里山の沢にはトンボのヤゴが複数種確認されていましたが、産卵できる止水域が一か所しかなく、生息環境として不安定でした。沢筋に複数の止水域をつくり、深さや流れの速さを変えることで、種ごとの好みに応える環境づくりを目指しました。地域の親子や子どもたちとともに、水底を掘り、石や丸太で岸辺を安定させ、観察路を延ばしていく3年間の取り組みです。


森林環境教育

子どもたちに向けた森林環境教育を始めました。ネイチャーガイドを講師に招いた月1回の環境教育活動と、手道具でできる月1回の環境整備活動。土に触れ、水の流れを追い、生きものに出会う機会をつくります。健やかな森林環境を未来の子どもたちに引き継ぐため、人も森も共に豊かに育っていく関係性の創出を目指しました。

里山環境整備

長く手入れのされていなかった里山に、初めて手を入れた3年間です。初年に「大地の再生」の提唱者である矢野智徳氏を招いて講座を開き、山の見立て方と水脈整備の技術を学びました。土壌の通気・透水改善、枯損木や倒木の整理、間伐、藪払い、竹林整備、沢筋の水脈整備、歩道整備を進めました。