4月23日 間伐とボサ置きー「トンボ舞うビオトープ空間づくり」 森づくり活動レポート

レポート

4月23日(土)に行われた森づくり活動(里山の環境改善整備)「間伐とボサ置きートンボ舞うビオトープ空間づくり」のレポートをお送りします。

今回はありがたいことに、静岡大学の先生と学生さんたちや、近隣地域で山の環境を整えながらキャンプ場を始めようとしているご一家さんにご参加いただき、スタッフ含め18名の大人数での整備活動となりました。人が集まるとやはり捗りますし、成果も見えやすく、やりがいを感じます。

初めての参加の方ばかりでしたので、この里山の概況や春の山の様子をお伝えするため、森ツアーから開始です。

大木の名前、落葉樹と常緑樹、モミノキの新芽と古い葉の感触の違い、生えてきたタケノコのこと、落ち葉の名前、サンショウの新芽の香りとアゲハチョウとの関係、などの話を体感を交えてお伝えしました。

ここからが本番。みなさんにヘルメットと長靴を装着してもらい、慣れない腰道具をつけて、森づくりのはじまりです。

まず資料をみながら、なぜトンボを指標種としたビオトープ整備をするのかといったビオトープ空間創出の意義と方針を簡単に説明しました(トンボは種ごとに要求する生息環境が明確で多様な環境の創出につながること、トンボは拡散力があり誘致しやすく比較的短いスパンで成果を把握しやすい、など)。またこの里山での整備活動のこれまでのこと、環境の現況、整備における指針などをお伝えしました。

今回の整備内容は、トンボが上空から水面を見つやすくするため、水辺周辺の間伐を行い、上空からの見通しをほどよく改善します。主に周囲の竹林から侵入してきた竹、先駆樹種のカラスザンショウなどの伐採です。光の入り方、風の入り方が変わります。

木の重心を見極め、伐倒方向を定めて、受け口追い口を入れていく、基本の伐採の方法を説明・実演してから、ひとりひとりに実践してもらいました。チェンソーを使わず手ノコによる伐採です。

伐採材は、手で持ち運べる長さに小切って、枝穂をナタでさばきます。

伐採経験はもちろん、剪定バサミやナタを使うのも初めてという方たちばかりでしたが、みな真剣に取り組んでくれて、作業はどんどん進みました。

伐採したらその材(ボサ)を利用します。適当に積んでおくだけでは森づくりに貢献しませんが、ちゃんと使えば有用な森づくりの資材となります。今回は沢筋法面の護岸および土壌の通気浸透性を高めるためのシガラミとして利用すべく、ボサを置いていきました。

写真の場所以外にも何箇所もこうしたシガラミを設けることができました。

2時間程度の活動でしたが、間伐を終えたあとは、上空が明るくなり、木の葉がひらひらと動いて気持ちよさそうな景観となりました。

間伐後の景観

やりすぎないように竹や木を抜いたら遠くから眺め直し、全体を確認、まだ淀んでいる感じのするところがあれば、また次のときにそこに手を入れる。そんな具合に五感を働かせ、自然の様子を伺い、対話(キャッチボール)をするように今後も整備作業を進めていきます。

最後にひとりひとりに一日の感想を述べていただきました。

振り返り

「ノコギリがすっと入ると軽く竹が伐れた」「ハサミがよく切れるのに驚いた」「思いのほか重労働で、こういったことを誰かがやってくれているんだと知った」「年代を超えたつながりを感じた」「シガラミなどの山の機能を高める造作を理解できた」「実家にある竹林に自分も手を入れてみようと思った」「環境がよくなることを肌で感じ、自分のなかの野生を知った」「和気あいあいと作業できてよかった」などの感想が聞かれました。

多くの人が関わることで、森づくりが大きく前進することの手応えを感じられる一日でした。ご参加いただいた皆様どうもありがとうございました。感謝いたします。

次回の森づくり活動は5月21日(土)を予定しています。森づくりや環境改善の方法にご興味のある方など、多くの方のご参加お待ちしております。

当プログラムは、令和3年度緑の募金「子どもたちの未来の森づくり事業」の採択事業です

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