里山の環境改善講座「成果観察会」レポート ~ トンボ・ビオトープ【3年目】第十回

里山の環境改善講座「成果観察会」レポート ~ トンボ・ビオトープ【3年目】第十回 レポート

3年間の集大成!トンボビオトーププロジェクト最終イベントのレポートです。

9月27日()、修善の森で3年間続けてきたトンボビオトーププロジェクト最終イベントを開催しました。小学生から大学院生まで、4組7名の皆さんと一緒に、これまでの取り組みの成果を確かめる特別な一日となりました。

3年間の道のりを振り返りながら

この日は、まず、3年間かけて整備してきたビオトープの沢筋を、みんなで歩いて回りました。

「ここは1年目に作った観察路だよ」「この土留めは2年目に、みんなで竹を使って作ったんだ」

ガイドの説明を聞きながら歩くと、一つひとつの場所に、たくさんの思い出がよみがえってきます。竹林を間伐して明るくなった森、手作りの階段、丁寧に積み上げた石積み――。全部で止水域5箇所と約200メートルの観察路、約120メートルの土留めを作ってきました。

いよいよ生き物調査!

沢筋の見学が終わったら、「ガサガサ」タイム!網を持って、カエル池で生き物を探します。

「いた!」「これ、なんていうトンボのヤゴかな?」

みんなで協力してたくさんの生き物を捕まえました。捕まえた生き物は、種類ごとに分けて、一匹ずつ数えていきます。ガイドの先生が、一つひとつの生き物について、丁寧に教えてくれました。

調査の結果はこうでした:

  • オニヤンマの幼虫:終齢6匹、2齢2匹
  • タカネトンボの幼虫:2齢4匹
  • ヤブヤンマの幼虫:初齢3匹、2齢1匹
  • オオシオカラトンボの幼虫:初齢〜2齢31匹

特に嬉しかったのは、その日オニヤンマが池に卵を産む様子を見ることができたこと。来年も、また新しい命が生まれてくれそうです。

そして、この日一番の発見は、ヒメゲンゴロウです。これまで一度も見つかったことのない、新しい仲間が、このビオトープにやってきてくれたのです。

みんなで作る、未来の森

お昼ごはんのあとは、希望者でビオトープのメンテナンス作業。嬉しいことに、全員が作業に参加してくれました。

今年の夏は6月から9月のはじめまで雨が少なく、沢や池の水が干上がってしまう時期がありました。その直後に台風の大雨が来て、土が流されてしまったところもあります。でも、こうした自然の変化に合わせながら、少しずつ環境を整えていくのが、このプロジェクトの大切なところです。

15時の解散まで、みんなで力を合わせて作業しました。

3年間で見えてきたこと

このプロジェクトを始めたとき、目標にしていたアサヒナカワトンボの定着は、残念ながら叶いませんでした。でも、それ以上に素晴らしいことが起きています。

ミルンヤンマ、ホソミイトトンボ、オツネントンボ、ナツアカネ――これまで見られなかった、たくさんの新しいトンボたちが、この森にやってくるようになったのです。竹林を間伐して明るくなり、沢筋を整備したことで、トンボたちが飛んで来やすくなったのだと思います。

これからの修善の森へ

このトンボ・ビオトープ・プロジェクトは今回で一区切りとなりますが、森づくりはまだ続きます。

これからも定期的にイベントを開催して、この森を訪れる人たちの輪を広げていきたいと思います。学校や地域の組織とも協力しながら、もっとたくさんの人に、この里山の魅力を知ってもらいたい。そして何より、新しい生き物たちが定着してくれるよう、環境を整え続けていきます。

近年の激しい雨や長い日照りにも負けない、しなやかで強い森を目指して。

参加してくださった皆さんへ

3年間、暑い日寒い日、一緒に森を歩き、土を掘り、生き物が生きられる環境づくりをしてくださった皆さん、何度も参加してくださったリピーターの皆さん、学生団体や近隣の皆さん、本当にありがとうございました。3年目のこの1年のイベントには、のべ82名もの方々が参加してくださいました

皆さんと一緒に作り上げてきたこのビオトープに、新しい命がやってきてくれています。小さな一歩かもしれませんが、この森が、少しずつ、確実に、生き物たちにとって暮らしやすい場所になっているという証です。

これからも、この森で、たくさんの発見と出会いが待っています。ぜひまた、遊びに来てくださいね。

森でお待ちしています。


*本プログラムは一般社団法人 コンサベーションアライアンス・ジャパン「アウトドア環境保護基金」2024年度前期助成プログラムにより運営しています