2024年9月29日里山の環境学習~トンボビオトープ~「成果観察会」レポート

2024年9月29日里山の環境学習~トンボビオトープ~「成果観察会」レポート レポート

本年度(2023年10月~翌9月)のトンボビオトープの取組みの最終回となる、里山の環境学習会のレポートをお送りします。残念ながら、講師がインフルエンザのため成果観察は実施できず、代わりにビオトープの修復作業を実施するにとどまりました。

写真にて当日の様子をレポートします。また、モニタリング調査を継続して実施しているので、成果観察の代わりにこのレポートで調査結果を報告したいと思います。

1年目のビオトープづくりの取り組みの際につくった池が土砂で埋まりつつあり、水面や流れが見えない状態になってきたので、土砂を掻き出し、池や岸を修復する作業を行いました。

いつもご参加いただいている親子さんと一緒に池を修復。土砂を掻き出して水面が見えるようになりました。溜まりを二箇所に分けて水深を確保、上流からまた土砂が流れてきてしまった際の受け皿とします。また増水時の水流を弱めて、土砂の流れを抑える働きをしてくれるかと思います。

この池はオニヤンマのヤゴが好んで利用している場所でした。また定着してくれるといいなと思います。

今年は、一時に大量の降水のある大雨が5月6月に数度ありました。大雨の度に土砂が流され、これまでに造った池や流れがあちこちで埋まってしまいました。その後、長く雨の降らない時期が続くと水量が減り、土砂で埋まった分、池や流れの水面が見えない状態がつづくなど、トンボたちには厳しい生息環境となってしまいました。

自然界の現れに沿いながら、近年の激しい天候にも対応できるビオトープ環境を目指して、ひきつづき活動をつづけてまいりたいと思います。来月からの3年目となる取組みでは、大雨でも土砂が流れない、降った雨がちゃんと土壌に浸透する環境づくりを重点的にビオトープの取組みを続けていきます。

以下は、先月8月のモニタリング調査票のコメントからの抜粋です。

今年度の成果としては、前年度から引き続き5種1の定着が確認されていることから、トンボ類の生息環境としてビオトープの環境が維持されているといえる。一方で、大雨の影響が大きく、崩壊が顕著な箇所は、ビオトープとして維持することが困難な可能性が示唆された。不安定な池は生息環境として適さず、それを維持管理するコストもかかることから、これまでの現状を振り返り、次年度以降の整備方針を見直す必要がある。

  1. ヤブヤンマ、タカネトンボ、オオシオカラトンボ、オニヤンマ、サナエトンボ ↩︎

以下は、1年目から8月までのモニタリング調査票(PDF)です。

3年目もひきつづきよろしくお願いします。

*本プログラムは一般社団法人 コンサベーションアライアンス・ジャパン「アウトドア環境保護基金」2023年度前期助成プログラムにより運営しています